INTERVIEW

【2024年度優秀賞受賞】
マイクロベース株式会社
事業開発マネージャー : 大熊 紀子
自社の紹介(概要、プロダクト)をお願いします。
空き家の発生を抑制し効果的な管理を実現するためのAIを活用したソリューション提供しています。このシステムは民間企業や自治体が所有するデータを活用し、現在から将来までの空き家の発生や再入居を住戸単位で予測します。実証実験の段階では90%以上の精度があるという結果になっています。
解決したい社会課題は何ですか?
現状の空き家対策は事後対策が主流となりますが、実際に空き家化して行政に近隣住民から苦情が入るような問題が顕在化したタイミングになってしまうと、空き家所有者と連絡がつきづらくなってしまいます。本来では空き家の問題が顕在化・深刻化する前から予兆を把握し、先手を打てることが望ましいですが、実際には行政職員も人員不足により対応をとることが難しく、できることに限界があるのが実情です。そこで弊社では、AIによる将来予測により空き家発生の予兆をいち早く掴み、事後対策から事前対策へ展開することに貢献したいと考えています。また将来的には弊社のソリューションによりミクロの人口推計ができることを活かして、都市計画やインフラマネジメントにも貢献したいと考えています。
Tokyo Social Innovation Tech Award 2024に応募した動機やきっかけは何ですか?
もともと東京都の都営住宅の空室予測や効率化に関わっていたことがありました。そのなかで、このたび東京都が本アワードの募集を行っていることを知ったのですが、アワードの受賞による広報的効果が期待できることもさることながら、受賞後の普及支援も含めて充実した内容となっておりましたので、応募をさせていただきました。
申請(書類審査)においてどのようなポイントを意識しましたか?
社会課題に対してどのようなアプローチができるのかを、具体的かつ分かりやすく伝えられるように注力しました。特に弊社のソリューションは、AIを活用した分析となっており、製品として可視化された分かりやすいプロダクトと違って、技術の内容や活用イメージを写真等でダイレクトに伝えることが難しいため、図表なども効果的に用いるようにしました。図表では、例えばAs-IsとTo-Beが分かるよう形で整理をし、いま一般的にはどのような空き家対策が行われており、そうした対策が将来的にどのように変化していくか、そして自社がどのような世界観を作っていきたいかをサイクル図のような形でまとめました。
二次審査やポテンシャルユーザー体験においてどのようなポイントを意識しましたか?
デモデータを活用して、地図上で空き家となる可能性の高い家を表示する操作をしていただきました。また、実際の業務にあたっては、どこの家がどの程度の確率で空き家になるかを予測の上で数値だけを納品することもありますが、活用事例を分かりやすくお示しするため地図上でのマッピングも実施しました。特にポテンシャルユーザー体験では、基礎自治体の空き家対策の担当部署の方に操作をしていただき、実際の業務での活用のイメージを持っていただきました。
このように弊社製品を操作することで何が見えるかを資料にて具体例を挙げて説明することで、現場での活用方法を具体的にイメージしていただけるよう意識しました。
Tokyo Social Innovation Tech Award 2024を受賞したメリットを教えてください。また、受賞後の普及支援の具体的な内容と感想を教えてください。
まず、受賞による広報的な価値を感じています。受賞後、多くの方々からのお褒めの言葉をいただきました。受賞後の普及支援については、単にソリューションの販路を開拓するという観点のみでなく、弊社のようなスタートアップ・中小企業が直面する人的リソースの不足や、会社としてのビジョンの描き方などの経営課題も含めて丁寧にヒアリングしていただき、こちらの求める支援をいただいております。スタートアップということもあり、ノウハウやリソースが不足している中では大変有難いことですので、支援が具体的な成果につながってくると嬉しいです。
今後どのような経営ビジョンを目指していらっしゃいますか。会社の理念や目指していることを教えてください。
弊社のAIインフラサービスを通じて、行政やインフラ企業の皆様が、例えば空き家問題などの社会課題が深刻化する以前から適切な対策を行えるような、EBPM(※)の推進に貢献できる企業になりたいと考えています。現在は空き家問題にフォーカスしておりますが、老朽インフラ更新管理や定住促進政策へと拡張し、弊社が提供する将来予測アルゴリズムにより、都市のリデザインを推進して参りたいと考えています。
※EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング、証拠に基づく政策立案):その場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえでの合理的根拠(エビデンス)に基づく政策企画のこと
【企業概要】
マイクロベース株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役CEO:仙石裕明、以下「マイクロベース」)は、マイクロベースは、デジタル時代におけるデータ活用の進化に焦点を当て、従来の古典的なアプローチでは捉えきれない「ミクロ」な視点から人々の行動を理解し、個々のデータを「人」として捉え、感動と共感を生み出すサービスを提供します。
【受賞内容】
対象ソリューション:空き家発生・再入居予測AIシステムMiraiE
マイクロベース株式会社 :
https://www.microgeo.biz/jp

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