INTERVIEW受賞企業インタビュー

【2024年度大賞受賞】
Holoeyes株式会社代表取締役CEO : 杉本 真樹
Holoeyes株式会社代表取締役CEO : 杉本 真樹
- 自社の紹介(概要、プロダクト)をお願いします。
- 医療現場において、手術中に患者様のCTやMRIなどから得られた三次元臓器モデルを空間的に可視化し、術者が滅菌手袋を着用したまま視覚的に参照可能とするXRソリューションを提供しています。これにより、術野を離れずに重要な解剖情報を確認でき、術中の判断精度と安全性の向上に寄与しています。現在、創業から9年目を迎え、全国70以上の医療機関に導入されています。
- 解決したい社会課題は何ですか?
- 外科医としての経験から、医療現場における情報活用の非効率さに課題を感じてきました。画像診断装置の進化によりデジタルデータは整備されているものの、術中に直感的かつリアルタイムに活用される機会は限られています。当社はこの課題に対し、XR技術を用いて術者が視線の先に3D臓器モデルを空間提示できるようにし、手術の安全性と効率性を高めました。さらに、若手医師の教育効果や、医療機器・製薬メーカーが自社製品の使用方法を直感的に伝える手段としても実用性が認められています。
- Tokyo Social Innovation Tech Award 2024に応募した動機やきっかけは何ですか?
- 当社のソリューションはすでに一定の市場導入が進んでおり、より広範な普及を目指すフェーズに入りました。その中で、Tokyo Social Innovation Tech Award 2024の受賞後の普及等支援が、今後の事業拡大にとって重要なきっかけとなり得ると考え、応募を決意しました。特に、人的リソースに制約のあるスタートアップにとって、各医療機関への個別訪問による普及活動には限界があり、アワードを通じて得られるプロモーションやネットワーキングの機会は極めて有意義であると判断しました。
- 申請(書類審査)においてどのようなポイントを意識しましたか?
- 書類審査では、自社のソリューションがどのような社会課題に対応しうるのかを明確にし、特に東京都の抱える医療課題と当社の解決策との親和性を論理的に示すよう心がけました。単なる事業上の課題ではなく、公的な医療安全・環境負荷の低減といった公共性の高い課題解決に寄与すること、そしてそれが既に導入実績や医療現場での成果を通じて証明されている点を、施設数、研修効果、手術時間の短縮実績等の定量データとともに提示しました。
- 二次審査やポテンシャルユーザー体験においてどのようなポイントを意識しましたか?
- 2次審査では、一般的なVR体験の演出ではなく、当社が実際に取り組んでいる社会課題と、それに対する医療現場での具体的な反応・声に焦点を当てて訴求しました。VR技術そのものの新規性よりも、実際の手術・教育の中でどのように活用され、成果を上げているのかを伝えることで、医療従事者以外の審査員にも実用価値を実感していただけるよう工夫しました。3次審査では、内科医の方に実際に体験していただき、臨床現場での操作性・導入容易性・安全性といった観点で高く評価をいただきました。
- Tokyo Social Innovation Tech Award 2024を受賞したメリットを教えてください。また、受賞後の普及支援の具体的な内容と感想を教えてください。
- アワード受賞後は、各種メディアに取り上げていただく機会が増え、社会的認知の向上に大きく寄与しました。さらに、展示会出展の機会を通じて新たな連携先と接点を持つことができ、事業展開における有力なパートナーシップの形成にもつながりました。現在は、資金調達支援、人材確保、業界動向の共有など、複合的な側面からの伴走支援を受けており、今後は海外展開やVCとの連携に向けたサポートも期待しています。支援は始まったばかりですが、これらが具体的成果につながるよう継続的に取り組んでまいります。
- 今後どのような経営ビジョンを目指していらっしゃいますか。会社の理念や目指していることを教えてください。
- 当社は、空間コンピューティングおよびAI技術を活用し、医用画像を中心とした医療情報のデジタルツインを構築、それを用いた術前計画、術中ナビゲーション、遠隔教育の統合プラットフォームを確立することで、世界標準の医療支援基盤となることを目指しています。技能格差を縮小し、精緻な診断・治療、術者教育の質を向上させることで、患者中心かつ持続可能な医療モデルを実現します。さらに、医療現場に蓄積された暗黙知を可視化・データ化し、技術の継承と再現性の高い教育体制を確立することで、医療の質と効率の飛躍的向上に貢献してまいります。
- 【企業概要】
- Holoeyes株式会社(ホロアイズ、本社:東京都港区、代表取締役CEO:杉本真樹、以下「Holoeyes」)は、先端的技術を積極的に取り入れ,新規事業を開発し,世界的なリーチを拡大し、精密な診断,的確な治療,安全な手術,そして効率的な修練と教育をもたらします。
- 【受賞内容】
- 対象ソリューション:医療画像XRメタバースシステム「Holoeyes」

https://holoeyes.jp/
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